Glossary
用語集
本サイトに登場する用語の平易な解説です(24語)。各用語から関連コラムへ進めます。
設置・設計
- 透過型ファイアウォール transparent firewall
- L2(ブリッジ)として回線に挟む方式のファイアウォール。IPアドレスや経路の設計を変えずに導入できる。ルータ型(L3)との違いは「設置モデル」であり、検査できる深さの違いではない。 → 透過型ファイアウォールとは?
- L2透過ブリッジ transparent bridge
- OSI 第2層(イーサネット)でフレームを転送する仕組み。IPアドレスを持たず、ネットワーク上は「ただの線」に見えるため、既存のアドレス設計を変えずに挿入できる。 → 透過型ファイアウォールとは?
- bump-in-the-wire
- 回線の途中に「挟む」形で機能を追加する設置形態。経路や機器の設定変更を伴わないことが特徴で、Tate の基本形。 → 透過型ファイアウォールとは?
- インライン inline
- すべての通信が機器を物理的に通過する直列の設置。通信を実際に「遮断できる」一方、機器の障害や誤遮断が業務に直結するため、導入計画(瞬断・切り戻し)と障害時挙動の設計が重要になる。 → インライン機器の導入計画→ 「検知」と「遮断」の違い
- fail-closed
- 障害時に「閉じる」設計。検査できない状態では通信を通さない。逆は fail-open(障害時に素通し)。Tate の標準構成は fail-closed で、その代償として可用性の単一障害点になる。 → fail-closed と fail-open
- deny-base / allow-base
- deny-base は「明示的に許可した宛先以外は全部拒否」(ホワイトリスト型)、allow-base は「明示的に拒否した宛先以外は許可」(ブラックリスト型)。Tate の enforce 既定は allow-base、AIガードレールの lockdown は deny-base。 → egress 制御入門
- ネットワークセグメンテーション network segmentation
- ネットワークを用途別の区画(セグメント)に分けること。区画ごとに異なる強さのポリシーを適用でき、AIエージェント専有セグメントのように「行き先が固定された区画」には deny-base のような強い制御を無理なく適用できる。 → AIエージェント用セグメント設計入門
通信・プロトコル
- SNI Server Name Indication
- TLS 接続の開始時にクライアントが平文で送る「接続先ホスト名」。TLS を復号しなくても「どこへ繋ごうとしているか」が分かる。Tate のドメイン制御の主要な根拠。 → SNIによるドメイン制御の仕組みと限界
- ECH Encrypted ClientHello
- TLS 接続開始時の情報(SNI を含む)を暗号化する拡張。プライバシーを高める一方、普及すると SNI ベースのドメイン制御の可視性が下がる。DoH・QUIC の制御と組み合わせた備えが現実解とされる。 → SNIによるドメイン制御の仕組みと限界
- DoH DNS over HTTPS
- DNS 問い合わせを HTTPS に包む方式。プライバシー保護に使われる一方、DNS の可視性を回避する経路にもなるため、Tate の組込み deny リストは主要 DoH リゾルバを明示遮断する。 → DoHとQUICで何が見えにくくなる?
- QUIC
- UDP 上の暗号化トランスポート(udp/443)。SNI の観測がTCPより難しいため、Tate は v1 で QUIC を遮断して HTTPS(TCP)にフォールバックさせ、可視性を維持する。 → DoHとQUICで何が見えにくくなる?
- MITM型フィルタリング SSL/TLS inspection
- TLS をいったん復号して中身まで検査し、再暗号化して送る方式。フルURL・本文まで見える代わりに、全端末への CA 証明書配布、証明書ピンニングの破壊、プライバシー配慮、処理負荷という代償がある。復号しないドメイン単位制御とは守備範囲が異なる。 → TLSを復号しないフィルタリングとは?
- egress
- 内側から外側への「外向き」通信。情報持ち出しや C2 通信は egress に現れるため、egress 制御は被害範囲の限定に直結する。 → egress 制御入門→ 既存FW・UTMがあるのに出口対策を足す理由
AIエージェント
- プロンプトインジェクション prompt injection
- AIエージェントが読み込むWebページやツール出力に悪意ある指示を仕込み、エージェントの「意図」を乗っ取る攻撃。ホスト側の対策が突破された場合に備え、ネットワーク層の独立した防御層が意味を持つ。 → プロンプトインジェクションとは?
- シャドーAI shadow AI
- 会社が把握・公認していない AI サービスの業務利用。禁止だけでは現場の利用が「見えない場所」に潜るため、接続先の可視化と公認リスト化で「見える形」に整える運用が現実解とされる。 → シャドーAIとは?
- サンドボックス sandbox
- プログラムを隔離された環境で実行し、ホスト本体への影響を限定する仕組み。AIエージェント対策の重要な1層だが、エージェントと同じホスト内にあるため、設定不備や未知の手法で突破される可能性は残る。 → AIエージェント導入前チェックリスト
- blast radius 被害範囲
- 侵害が起きたときに影響が及ぶ範囲。ネットワーク許可リストは侵害を「無くす」のではなく、blast radius を許可済み宛先の集合に限定する。 → プロンプトインジェクションとは?
脅威・運用
- C2 Command & Control
- 侵害済みホストを攻撃者が遠隔操作するための通信経路。未知ドメインへの定期的な beacon などとして egress に現れる。 → C2通信とは?
- beacon
- 侵害済みホストが C2 サーバーへ定期的に送る小さな通信。「内から外へ・小さく・周期的」という形が特徴で、外向き通信の監視で検知の手がかりになる。 → C2通信とは?
- 初見ドメイン newly observed domain
- そのネットワークで初めて観測された接続先。業務通信は反復的、攻撃インフラは使い捨てが多いため、接続先が安定したホストでは強いシグナルになる。ただし「初見=悪性」ではなく、要調査キューとして扱うのが実務的。 → 初見ドメインはなぜ危険シグナルになるのか
- exfiltration 情報持ち出し
- 侵害したホストから外部へデータを送り出すこと。トンネルサービス・paste系・webhook など「正当なHTTPSに見える」経路が使われるため、入口ではなく出口(egress)の対策が論点になる。 → 情報持ち出しの典型経路
- 許可リスト allowlist
- 接続を許可する宛先の一覧(ホワイトリスト)。「行き先が少なく安定した場所」に適用するのが最大のコツで、粒度・期限付き例外・棚卸しを設計しないと運用が破綻しやすい。 → 許可リスト運用を破綻させない設計→ egress 制御入門
- would-block
- monitor 段階で「enforce なら遮断されるはずだった通信」のこと。実遮断の前にレビューして、許可リストの漏れを安全に発見するための仕組み。 → would-block ログで始める段階導入
- 監査証跡 audit trail
- 「制御が効いていた」「何が起きたか」を後から説明するための記録。ファイアウォールのログは平時は説明責任の根拠、有事はインシデント初動の手がかりになる。単独で原因特定はできず、端末・アプリのログと補完し合う。 → ファイアウォールログの読み方→ AIエージェントの監査ログ設計